リモートワークで上手くコミュニケーションが取れなかったり、外出中に予定を聞かれて困ったり…このような経験がある方も多いですよね。業務で使われるツールの多くは、社内ネットワークの範囲でしか利用できないという大きな課題を抱えています。しかし、リモートワークが増えている現代では、いかにして新しい働き方に対応するかが大切です。
そんな中、注目されているのが「クラウドツール」。クラウドツールはオフィスにいなくても使えるのが大きなメリットで、業務効率化のために導入する企業が増えています。しかしクラウドツールという言葉を知っていても、どんなツールを使えば自社の業務効率化につながるのか、分からない方も多いですよね。
そこで今回は、おすすめのクラウドツールを用途別に計12点ご紹介します。クラウドツールを知らない方はもちろん、業務効率化を実現できずに困っている方も、ぜひご一読ください。
クラウドツールとは
「クラウドツール」とはインターネットを経由して利用できる、業務効率化を目的としたツールの総称です。「クラウド」は英語のcloud(雲)を意味し、雲のように遠く離れた場所にツールがあるイメージから、このように呼ばれています。
従来は、ソフトをインストールして使うタイプのツールが主流でした。これらのツールで扱うデータを管理するためには、自社サーバーが欠かせません。しかし自社サーバーの設置や管理にコストが大きくかかる、社内でしか利用できない、といった課題がありました。
そこで登場したのが、クラウドツールです。クラウドツールの場合は、Web上のクラウドサーバーを利用してデータを管理します。そのため、自社サーバーの設置や管理が不要なうえに、社外でも利用できるのが大きなメリットです。
さらに時代は常に変化し、最近ではリモートワークを取り入れる企業も増えてきました。そんな状況の中で、自宅でも利用できるクラウドツールが脚光を浴びています。次の章からは、用途別におすすめのクラウドツールをご紹介します。
労務管理・会計の効率化におすすめのクラウドツール4選
まずは、労務管理や会計業務を効率化できるクラウドツールを4つ、ご紹介しましょう。
柔軟に勤怠管理できる「ジョブカン」
「ジョブカン」は、勤怠管理では最も人気が高いクラウドツールです。ボタン操作やICカードなど、好きな方法で手軽に出退勤の打刻ができるうえに、集計作業も自動で行います。また、休暇の申請・承認もスマートフォンから手軽に行えるため、少ない手間でスムーズに手続き可能です。
料金プランは4種類あり、1ユーザー・1か月あたり200~500円とローコストで使えます。初期費用が0円なのも魅力的です。30日間の無料トライアルもあるので、気軽に試してみましょう。
労務管理の人気No.1ツール「SmartHR」
「SmartHR」は、労務管理では人気No.1を誇るクラウドツールです。社員情報をオンラインで一括管理できるだけでなく、雇用契約や年末調整といった面倒な手続きもスマートフォンで行えます。給与明細もオンラインで発行できるので、社内のペーパーレス化を促進することが可能です。
料金プランはスモール・スタンダード・プロフェッショナルの3種類ありますが、細かい見積もりはサポートします。15日間の無料トライアルがあるので、試しに使ってみて損はありません。
会計の分析にも使える「勘定奉行クラウド」
「勘定奉行クラウド」も、会計業務に役立つクラウドツールです。ワンクリックで帳票をグラフ表示する機能があり、会計数値を視覚的に把握できるメリットがあります。月単位・年単位で推移を見られるので、さまざま視点からの分析が可能です。
また、企業のニーズに応じて機能を細かく選んで使えるのも特徴で、どの機能を選ぶかによって月額料金は変わってきます。公式サイトで料金シミュレーションが行えるので、簡単に見積もりをしましょう。
コミュニケーション・ファイル共有におすすめのクラウドツール4選
「Microsoft Teams」は、社員間でのコミュニケーションを促進するクラウドツールです。オンラインで1対1やグループの会話が手軽にできるビジネスチャット機能に加えて、ビデオ会議や通話もすぐに行えます。また、共有ファイルを使わずともリアルタイムに同一ファイルへの編集作業が行えるので、チームワークの強化につながるかもしれません。
Microsoft Teamsには無料プランがあり、いつでも無料で利用可能です。ただし、会議の時間や参加者数に制限があるので、より快適に使いたい方は1か月あたり540円~の有料プランも検討すると良いでしょう。
ファイルの共有に優れた「Chatwork」
「Chatwork」も、オンラインでのやり取りに便利なクラウドツールです。ビジネスチャット機能を使ったメッセージでのやり取りはもちろん、ビデオ通話や音声通話も簡単に行えます。また、ファイルの送受信には容量制限がなく、大きなサイズのファイルでも気にせず送付可能です。
こちらも無料プランが無期限で使えますが、グループでの通話ができないなどの機能制限があります。Chatworkをより有効活用したい方には、1か月あたり500円~の有料プランへの切り替えがおすすめです。
さまざまな情報共有に使える「サイボウズoffice」
「サイボウズoffice」は、社内の情報共有やコミュニケーションを促進する「グループウェア」として人気のクラウドツールです。スケジュールやプロジェクトの管理・共有を始めとした、さまざまな情報共有に使えます。またメッセージや掲示板といった機能もあり、コミュニケーションツールとしても役立ちます。
料金プランはスタンダードとプレミアムの2種類あり、1か月あたり500円~と比較的ローコストで使い始められます。30日間の無料トライアルでプレミアムコースを体験できるので、気になる方は気軽にお試しください。
ビジネスツールをひとまとめにした「Google WorkSpace」
「Google WorkSpace」は、ビジネスに必要な多くの機能をひとまとめにしたクラウドツールです。ファイル作成機能にとどまらず、チャットやスケジュール管理、ビデオ会議といった多くの機能をサポートしています。「Googleドキュメント」や「Gmail」といった有名な機能は、実はGoogle WorkSpaceの一部として提供されています。
Googleドキュメントなど、多くの機能は無料で使えます。ただしデータ容量を増やしたり、独自ドメインを使ってメールしたりする場合は有料プランの申し込みが必要です。1か月あたり680円~と、それほど費用がかからないので試してみる価値はあるでしょう。
事務作業の効率化におすすめのクラウドツール4選
最後に、さまざまな事務作業を効率化できるクラウドツールを4つ、ご紹介しましょう。
マニュアル作成を自動化できる「iTutor」
「iTutor」は、企業のあらゆるマニュアル作成をオンラインで自動化できるクラウドツールです。パソコン操作を自動で取り込み説明やキャプチャを付けてまとめてくれるので、わざわざ手作業で作成する必要がありません。また、動画やeラーニングといった形式にも対応しており、企業に合った形式でマニュアル作成ができます。
料金プランはさまざまですが、動画にも対応できるスタンダードエディションが45万円の買い切り価格で、月額料金はかかりません。21日間の無料トライアルもあるので、試しに使ってみて気に入ったら購入すると良いでしょう。
企業サイトのFAQを強化する「OKBIZ. for FAQ」
「OKBIZ. for FAQ」は、企業サイトのFAQ(よくある質問)を使いやすく改善できるクラウドツールです。検索サジェスト(おすすめ)機能や関連FAQ表示機能があり、ユーザーがFAQを使って疑問を解決しやすくなります。また、検索エンジン最適化機能を使えばGoogle検索などでFAQがヒットしやすくなり、ユーザーの満足度向上につながります。
料金は初期費用1,300,000円、月額費用100,000円~とやや高めですが、その分問い合わせ対応などの人件費を大幅に削減できるに違いありません。FAQシステムとしてはトップシェアで信頼性も高いので、おすすめです。
社員教育用のテストを作れる「THiNQ Xe」
「THiNQ Xe(シンク クロスィ)」は、社員教育に使うためのテスト教材をオンラインで作れるクラウドツールです。正誤判定や採点などを自動で行ってくれるため複雑なシステムを作り込む必要がなく、簡単にテスト教材を作れます。問題の形式もさまざまで、〇×問題だけでなく複数選択式の問題も作成できるうえに、採点を行わないアンケートも作成可能です。
料金プランは1か月1,080円~のサブスクリプション方式と、32,500円~の買い切り方式から選べます。すぐに購入してよいのか不安な方は、まずは30日間の無料トライアルで試してみると良いでしょう。
IT資産管理を効率化する「LanScope An」
「LanScope An」は、パソコンなどのIT資産を効率的に管理できるクラウドツールです。デバイス情報を自動取得する機能があり、手作業で情報入力するよりもスピーディーに資産管理できます。また、デバイスの位置情報も管理できるので、紛失・盗難などのリスクも減らせます。
料金プランはライトA・ライトB・ベーシックの3種類に加えて、初期費用と年間費用のどちらを重視するか選べます。無料トライアルが60日間と長いので、使用感を確かめたうえで有料プランを検討するのがおすすめです。
クラウドツールを導入する時の注意点
12点のクラウドツールをご紹介しましたが、料金プランはさまざまです。中には初期費用がかかるものもあるので、注意しましょう。基本的には無料トライアルがあるので、社内での評判を確認してから有料プランを検討すれば問題ありません。
しかし、クラウドツールには今回ご紹介した以外にもたくさんの種類があり、業務効率化のために何を導入すれば良いか決められない方もいますよね。クラウドツールの導入で困ったら、業務効率化のプロに頼るのも1つの手です。
弊社では、クラウドツールを導入して業務効率化するためのお手伝いを承っております。プロの目線でクラウドツールの選定、導入支援などをしっかりサポートいたします。クラウドツールを有効活用して業務効率化を実現した企業も増えているので、ぜひお問い合わせください。
さて今回は、おすすめのクラウドツールや導入する際のポイントをご紹介しました。内容を振り返りましょう。
・クラウドツールとは
⇒インターネットを経由して利用できる、業務効率化を目的としたツール
・労務管理・会計の効率化におすすめのクラウドツール4選
①柔軟に勤怠管理できる「ジョブカン」
②労務管理の人気No.1ツール「SmartHR」
③簿記知識がなくても使いやすい「クラウド会計freee」
④会計の分析にも使える「勘定奉行クラウド」
・コミュニケーション・ファイル共有におすすめのクラウドツール4選
①オンラインのやり取りに便利な「Microsoft Teams」
②ファイルの共有に優れた「Chatwork」
③さまざまな情報共有に使える「サイボウズoffice」
④ビジネスツールをひとまとめにした「Google WorkSpace」
・事務作業の効率化におすすめのクラウドツール4選
①マニュアル作成を自動化できる「iTutor」
②企業サイトのFAQを強化する「OKBIZ. for FAQ」
③社員教育用のテストを作れる「THiNQ Xe」
④IT資産管理を効率化する「LanScope An」
・クラウドツールを導入する時の注意点
⇒料金プランはさまざまで、初期費用がかかるものもあるので注意
⇒困ったら業務改善コンサルに頼るのも1つの手
このようにクラウドツールにはさまざまな種類があり、用途に応じて使い分けることで業務効率化を実現しやすくなるでしょう。日々の業務に無駄を感じている方は、ぜひ今回ご紹介したクラウドツールを導入しましょう。