残業抑制やテレワーク等、働き方の変化により、社内のコミュニケーションや情報共有がスムーズにいかなくなると困りますよね。それもあって、最近クラウド型のグループウェアに注目する企業が出てきています。グループウェアとは社内の情報共有システムで、システムを介して従業員に連絡できる便利なツールです。
ただ、いざ選定しようにも、グループウェアは数多くあるため候補を絞るのも一苦労でしょう。まずは多機能なグループウェアの基本を押さえたうえで、自社との適合性や導入イメージをつかむのがおすすめです。
それでは今回はおすすめのグループウェア(クラウド型)をピックアップし、選びやすいようにランキング形式で紹介します。各社各様のサービス内容やプラン選定のコツも合わせて見ていくので、どれが自社に適しているかチェックしましょう。
グループウェアとは
グループウェアは、情報共有を目的とするシステムです。グループウェアでは業務連絡に加え、業務文書等のデータ共有、スケジュール調整ができます。
グループウェア、しかもクラウド型を使えば従業員との連絡・情報共有手段として、定期的な全体ミーティングも必要ありません。現場部門や営業職、またテレワークなど、一か所にとどまって勤務しない形態では、協同作業を円滑かつ効率的に進めやすくなるので非常に便利でしょう。
グループウェアの基本機能
一般的なグループウェアには、以下のような機能があります。
- チャット :グループチャットで連絡・情報共有
- 電子メール :一般的なメール機能のほか、既読機能等があるものも
- ワークルーム :部門やプロジェクト、タスクごとに設ける連絡・共同作業スペース
- スケジュール管理 :従業員の予定の共有・確認、スケジュール調整が可能
- ファイル共有 :業務文書や資料ファイルの共有・利用
- ワークフロー :各種申請や稟議書の電子化、作業割当・工程進行の管理・調整
- ダッシュボード :通知や業務情報、操作画面のリンクを配置したホーム画面
- 共有設備の予約 :会議室やプロジェクター等の機材、社用車の利用予約・管理
- モバイル対応 :スマホやタブレット、モバイルアプリで利用可
ただし、グループウェア(クラウド型)には外国製もあり、たとえば日本でよくある設備予約機能の利用にはユーザー設定が必要なものがあります。
おすすめのクラウド型グループウェアランキング
ここで、あまたあるグループウェア(クラウド型)の中からおすすめ製品を3点ピックアップし、独自基準によるランキングとして紹介します。
ランキング3位:Googleアプリに慣れているなら「Google WorkSpace」
プライベートでもGoogleの各種アプリを利用しているなら、馴染みやすいのがGoogle WorkSpaceです。法人向けのセキュリティや管理機能、また十分なクラウドストレージも標準搭載しています。Googleが提供しているのでシステムの安定感は抜群で、大規模拡張も可能なのが利点。グループ会社共通のグループウェア導入を検討していたり、キャンペーン・イベント要員との連絡など、常設でも臨時でも大人数に対応できます。
Google WorkSpaceの4つのプラン
プラン | 月額料金 | 容量 | |
1 | Business Starter | 680円 / ユーザー | 30GB / ユーザー |
2 | Business Standard | 1,360円 / ユーザー | 2TB / ユーザー |
3 | Business Plus | 2,040円 / ユーザー | 5TB / ユーザー |
4 | Enterprise | 要問い合わせ | 必要に応じて拡張 |
Google WorkSpaceではプランを問わずすべてのアプリを利用でき、グループチャットを活用した情報共有が可能です。「1」のスタータープランでは共有ドライブや検索機能、会議の録画保存機能がありません。大容量のクラウドストレージや、ID管理などの高いセキュリティ機能は「3」以上のプラン契約が必要です。業務効率化に欠かせない共有フォルダや検索機能が必要なら、上位プランの選択が必須になるでしょう。
ランキング2位:グループウェアのみ、または機能追加も可能な「サイボウズ Office」
サイボウズ Officeは中小企業向けのグループウェアです。サイボウズ Officeはダッシュボードや掲示板、ファイルやスケジュール管理の基本機能に加え、モバイル端末にも対応。
そんななかで、サイボウズ Officeのおすすめポイントは使いやすさです。実際にサイボウズ Officeを導入した約半数の企業がグループウェア未経験で、また30代以降の世代に馴染みやすいUIデザインに定評あり。グループウェアだけを導入したい企業から、汎用グループウェアに機能を追加して使いこなしたい意欲的な企業もおすすめです。
サイボウズ Officeの2つのプラン ※最低利用人数は5人~
プラン名 | 月額料金(税込) | カスタムアプリ | |
1 | スタンダードコース | 550円/ユーザー | - |
2 | プレミアムコース | 880円/ユーザー | ○ |
汎用のグループウェアが欲しいのであれば下位プラン、業務アプリをカスタムして情報共有・管理を推進したいなら上位プランを選びましょう。カスタムアプリを活用し、業績速報や顧客管理情報、人事教育、資産管理情報をグループウェアにアップすれば、円滑に業務を進める助けとなるでしょう。
ランキング1位:グループウェアと定番の文書アプリを標準搭載する「Microsoft 365」
長年Officeアプリを利用しているなら、グループウェア(クラウド型)導入でまず思いつくのがMicrosoft 365ですよね。Officeアプリがクラウド移行したのをきっかけに、自社システムのクラウド化を検討し始めた企業も多いです。Microsoft 365ならWord、Excel、PowerPointが標準搭載されており、Officeアプリを日常的に使う企業も導入しやすいでしょう。
グループウェアが使えるMicrosoft 365のプラン
プラン名 | 月額料金 | Officeアプリ | セキュリティ | |
1 | Microsoft 365 Business Basic | 594円/ユーザー | ○ 3種 | ○ |
2 | Microsoft 365 Business Standard | 1,496円 / ユーザー | ○ すべて | ○ |
3 | Microsoft 365 Business Premium | 2,398円 / ユーザー | ○ すべて | ◎ 高度なセキュリティ対策 |
プラン選定のコツは、すべてのOfficeアプリやネットワーク・端末セキュリティの必要の有無です。すべてのOfficeアプリが必要ならば中上位プランに、一般的なOfficeアプリだけでいいなら最安プランでも十分です。通信や自社端末のセキュリティもまるっと揃えたいなら最上位プランがおすすめです。
【各プランごとの適用例】
- 付随事務のない現場担当や臨時要員
- 文書作成が必要な事務員や管理職
- パソコン等の業務端末持ち出しや、社外連絡の多い従業員
Microsoft 365は職務や業務実態に応じ、従業員ごとにプランを選べるのが利点です。多くのサービスのように会社(組織)単位のプランを一斉適用するのでなく、従業員単位でプランを選べます。
クラウド型グループウェアの比較ポイント
グループウェア(クラウド型)の比較・検討ポイントに、次の3つがあります。
- 規模
- 標準搭載のアプリ
- セキュリティ機能
規模
利用規模に適したグループウェア(クラウド型)を選びます。サイボウズ Officeは国内拠点の数人から数百人程度の企業を想定しています。反面、GoogleやMicrosoftの大手ITベンダー製なら、海外拠点や万単位のユーザーをつなぐ大規模運用も可能。将来的な展開予定も考慮して製品を選択しましょう。